コーヒーのカフェインが体に悪いって本当なの?
過剰摂取しなければ大丈夫ですよ!
コーヒーは世界中で飲まれていますが、カフェインの体への影響について、みなさんはどれだけ理解しているでしょうか?
コーヒーが体にいいのか、悪いのかわからず日常生活でコーヒーを飲んでいる人は多いのではないでしょうか。
コーヒーの体への影響やカフェインを避けるべき人を理解できれば、安心してコーヒーを飲めるでしょう。
コーヒーには覚醒効果や利尿作用などの効果があり、健康にもいくつかの利点があります。
しかし、摂取量に関する注意が必要であり、過剰摂取は健康に害を及ぼす可能性があります。
この記事を読むことで、コーヒーの健康効果や適切な摂取量について理解できます。
コーヒーの種類
コーヒーの木は世界中で栽培されており、多くの種類が有ります。
木には「コーヒーチェリー」といわれる赤い果実が実り、その中にある緑色の種が「生豆」です。
一般的にいわれている「コーヒー豆」は「生豆」のことをいいます。
私たちが普段飲んでいるコーヒーの原料として栽培されているのは、「アラビカ種」と「カネフォラ種(ロブスタ種)」の2種類です。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
アラビカ種 | 広い地域の高地で栽培されており、市場に出回っているコーヒーのおよそ 3分の2がアラビカ種です。 豊かな風味と酸味が特徴です。 |
カネフォラ種 | 低地でも栽培可能で病気や害虫に強い。苦味とコクが特徴です |
カフェインについて
コーヒーの成分で最も有名なのはカフェインです。
カフェインは天然由来のアルカロイドという化合物の一種です。
効能としては、眠気覚ましなどの覚醒作用や、尿の排出を促す利尿作用などが広く知られています。
これ以外にも「自律神経の働きを活発にする」 「集中力を高め作業能力を向上させる」 「運動能力を向上させる」など、いろいろな効果が明らかになっています。
また、解熱鎮痛作用があり、眠気、倦怠感、頭痛に対する効果がある市販の医薬品としても使用されています。
【カフェインの主な作用】
- 覚醒作用
- 血管拡張作用
- 交感神経作用
- 胃酸分泌促進作用
- 利尿作用
【主な飲料のカフェイン含有量(100mlあたり)】
レギュラーコーヒー(浸出液) | 60mg |
煎茶(浸出液) | 20mg |
玉露(浸出液) | 160mg |
エナジードリンク (製品1本あたり36~150mg) | 32~300mg |
ここでご紹介した健康効果は、ブラックコーヒーを前提にしています。コーヒーに砂糖やミルク(コーヒーフレッシュ)を入れると、健康効果が損なわれる可能性があるので注意が必要です。
ポリフェノールについて
ポリフェノールとは、植物由来の抗酸化物質のことです。
「抗酸化作用」「食後血糖値の上昇を緩やかにする」などの健康効果が認められています。
代表的なものには、赤ワインのアントシアニン、緑茶のカテキン、ダークチョコレートのカカオポリフェノールなどがあります。
コーヒーにはクロロゲン酸が多く含まれており、コーヒーの色や苦味、香りのもととなっていて、コーヒーの香りにはリラックス効果もあります
【ポリフェノールの主な作用】
- 抗酸化作用
- 抗菌性 ・抗ウイルス活性
- 抗ガン作用
- 口臭抑制作用
- 抗疲労作用
コーヒーの1日あたり摂取上限量
日本では1日の摂取上限量は定められていません。
しかし、海外では摂取上限量を、健康な成人で1日あたりマグカップ(120ml)3、4杯程度を目安にしています。
カフェインを過剰摂取するとどうなる?
近年若者に人気のエナジードリンクでは、多量摂取により中毒死した例もあり、カフェインの過剰摂取による健康への悪影響が知られています。
具体的な症状には、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などがあります。
カフェインを多量に含む眠気防止薬や「エナジードリンク」などの清涼飲料水の急性中毒で、2011年度からの5年間に少なくとも101人が救急搬送され、7人が心停止となり、うち3人が死亡したことが13日、日本中毒学会の調査で分かった。15年に死亡例が判明したことなどを背景とした初の全国調査。
引用元:日本経済新聞
カフェイン中毒、5年で100人救急搬送 死亡3人 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
妊娠中の方、子どもへの影響はあるの?
日本では妊娠中の方に対する上限量は定められていません。
ただ、世界保健機関(WHO)では、1日あたりマグカップ(120ml)で2杯程度が推奨されています。
また、子どもに対する摂取上限量も日本では定められていません。
カナダ保健省では、以下のとおり1日あたりの摂取目安が示されています。
4~6歳 | 45mg |
7~9歳 | 62.5mg |
10~12歳 | 85mg |
カフェインレスコーヒーとは
妊娠中の方や子どものようなカフェインの影響を受けやすい方には、カフェインレスコーヒーがおすすめです。
日本においてカフェインレスコーヒーとは、カフェインを90%以上除去したものを指します。
デカフェコーヒーも同じような意味です。
注意点としてどちらもカフェインがゼロではありません。
また、似たような言葉でノンカフェインがありますが、こちらはカフェインを一切含まないカフェインがゼロの商品です。
自分の好みや体調に応じて使い分けるといいでしょう。
コーヒーの健康効果に関する研究・論文
コーヒーと健康の関係性についての研究や論文は、世界中で数多く報告されています。
ここでは3つご紹介します。
コーヒーを多く飲む習慣は、日本人の全死亡リスクを低下
全死亡リスク及び心疾患、脳血管疾患及び呼吸器疾患による死亡リスクが減少。
コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、全く飲まない人に比べ24%低いことが分かった。
参考文献:国立がん研究センター予防研究グループニュース07May2015
コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
第一に、コーヒーに含まれるクロロゲン酸が血糖値を改善し、血圧を調整する効果がある上に、抗炎症作用があるといわれています。第二に、コーヒーに含まれるカフェインが血管内皮の機能を改善する効果があるとされています。また、カフェインには気管支拡張作用があり、呼吸器機能の改善効果があるのではないかと言われています。これらの効果が、循環器疾患や呼吸器疾患死亡につながる危険因子の調整に寄与しているのかもしれません。
参考文献:国立がん研究センター 多目的コホート研究
カフェインで記憶力が増す
カフェインの摂取は、目覚まし効果やエネルギーチャージに一役買っていたが、少なくとも、24時間に渡って、記憶力延長のプラス効果が、新しく認められた」と発表。
参考文献:Johns Hopkins University News 13 January 2014
まとめ
この記事では、以下について説明してきました。
- コーヒーの種類
- カフェインについて
- ポリフェノールについて
- コーヒーの1日あたり摂取上限量
- コーヒーの健康効果に関する研究・論文
コーヒーに含まれているカフェインやポリフェノールには、多くの健康効果があります。
一方で、カフェインの過剰摂取は健康に悪影響をあたえる可能性が高いので、1日あたりの摂取量を守ることが重要です。
カフェインの摂取が難しい方はカフェインレスコーヒーを飲むことで、コーヒーの健康効果を実感することができます。
コーヒーを普段の生活に取り入れて、コーヒーライフを楽しみましょう。
参考
UCC上島珈琲
コーヒー百科|知る・楽しむ | コーヒーはUCC上島珈琲
全日本コーヒー協会
コーヒーの成分 | COFFEE BREAK | 全日本コーヒー協会 (ajca.or.jp)
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省 (mext.go.jp)
食品安全委員会
ファクトシート(科学的知見に基づく概要書) | 食品安全委員会 – 食の安全、を科学する (fsc.go.jp)
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